カフェのような待合室を活用

こいし歯科

2007年 新装(内装・ファサード)

古くからの造り酒屋が残る歴史ある街、池田。小石歯科医院は、この地で長年地域の人々に親しまれ続けてきました。3代目の院長先生となる若先生は、より地域に根ざした診療を目指し、手狭になった医院から1棟貨の新しい建物への移転を計画されました。

限られたスペースに多くの要素を配置するため、パズルを解くかのようにスペースを生む努力をしました。さらにローコストでの実現が重要課題でしたので、優先順位を明確にして、思い切った取捨選択と覚悟をしていただくための充分なコンセンサスが不可欠でした。

細かいつくり込みや家具製作を減らしコストダウンを図りますが、ローコストを感じさせないために、簡素な造作ながらも配色の組み合わせを熟慮し、単調に見えないための造形が必須でした。視線の落ち着きどころには、照明器具や家具などのインテリアグッズを配し空間に奥行を感じてもらえるようにしました。

小石先生は小児歯科にも真撃に取り組んでおられます。それゆえまず第一にお母様に喜んで来ていただけるような空間を目指しました。
特に待合室付近は、お母様方が子連れではなかなか行けないカジュアルなカフェに気軽に入るかのような雰囲気にしました。オープン診療スペースは懐かしさを感じる造形にて緊張感を和らげるように配慮しています。タイトな平面計画にて合理的なスタッフ導線を確保しながらも、窮屈さを感じさせないように間接照明やミラーで心理的に開放しました。

2階には予防治療のための個室と、専用の中待合をつくりました。落ち着いた配色の空間とガラス素材にて軽快にしながら、照明効果による陰影と華やかさにて居心地よく待っていただけるスペースとなりました。

地域住民のお口の健康によりに貢献したい、との院長の強い志を実現するため、新しくなった「こいし歯科」。スマイルファミリーのことば通り、優しい先生方とスタッフの皆さんが、今日も笑顔で地域の患者さんを迎えておられることでしょう。

設備設計   創見社設備設計
施工     ヤマト木工株式会社
ロゴデザイン 北嶋直樹
照明計画   株式会社ライト
撮影     藤谷写真事務所 藤谷信次

1階延床面積」 88.40㎡ 27坪
2階延床面積  66.60㎡ 20坪

建築設計 森崎建築設計事務所
建築施工 共栄建設株式会社