坪田光湖先生に初めてお会いした時に
とても早い開業であることに驚きながら
ご主人と共に練り上げたビジョンの明確さにも驚かされました
お二人で地道に探しあてた土地は
水道や下水道を引く工事が必要ながらも
今後の周辺の発展予定などのプラス要素が多い
良好なロケーションと思えました

西側接道ですので道路側に下手に窓をとってアピールしようとすると
西日に晒され、いつもブラインドを閉めざるを得ない
陰気な雰囲気になってしまいます
平面計画の形状に留意して
西日があまり入ってこない部分に大きな窓をつけ
塀で中庭を囲い、道路側からあまり窓の存在を感じないようにしました
その結果、明瞭な建物のフォルムが際立ち
窓を目立たせることよりも
道路側にいっそうアピールする建物になったと思います

外壁はタイル貼りです
タイル建築は費用がかかるゆえ
権威的に見えたりすることが病院っぽさにつながりやすいため
新鮮な医院のイメージをつくる場合には避けがちな素材です
小柄な建物の形状を整理し 窓位置をコントロールすることで
黒い光沢タイル貼が通常とは違う面白い模様のような魅力に変わり
通行する人々に鮮烈な印象を与える効果が得られたと思いま
近くの樹木や空が外壁に写りこみ
クールだけでない気持ちが和らぐ一面も感じられます

内部は一転してナチュラルで柔らかい雰囲気です
シンプルすぎない楽しさを求め
施工会社である上内設計工房さんの
木造作への意欲に甘え
複雑な木の貼り方をお願いしてみました
そこにフランス在住のアーティスト
矢倉理恵さんの照明器具をコーディネートして
やわらかくほのぼのした
雰囲気が得られたと思います
通路程度の広さしかとれていない
受付と待合室ですが
中庭の植栽が視覚的な面積を広げ
快適にくつろげる空間になりました

診療室は、光湖先生の目のよさに助けられ
天井に照明器具をつける必要がなかったので
とてもシンプルにまとめることができました
柱と梁だけが際立ち
そこに間接照明と矢倉理恵さんの
サッカーゲームの人形を利用した照明器具
だけで光の演出をしています

黒くてユニークな外観ですが
若くてチャーミングな光湖先生の
診療のための器として
建物に良い印象を与えているような気がします
診療の評判も素晴らしく
とても早い立ち上がりで患者さんが増え続け
あっという間に人気医院となりました
坪田家には、今はお子さんも生まれ
ご夫妻ともども仕事と家庭に
充実した幸せな毎日を送っておられるようです

施工      株式会社上内設計工務 上内康弘
照明計画    株式会社ライト 坂東英輔
撮影      藤谷伸次
ロゴデザイン  

敷地面積   208.44㎡  63.05坪
建築面積    89.37㎡  27.03坪
延床面積   118.75㎡  35.92坪