works  矢野歯科医院
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矢野歯科医院
yano dental clinic
http://www8.ocn.ne.jp/~yanosika
企画 コンサルティング
有限会社デンタルクリエイトセンター 酒井珠材
http://www.dentalcc.co.jp

広島県豊田郡本郷町の駅前に根ざして診療を続けてきた矢野歯科医院。若先生と慕われる矢野浩介先生で3代目となります。医療をサービス業として捉えなおす診療システム導入の試みの中で、近隣で行われる開発事業を機に、より良い診療空間を提供することを目指して新築移転することになりました。

古い建物が残り、周囲には山も見渡せる潤いのある地域ですが、これらの開発地にはスーパーマーケットの駐車場として、だだっ広いアスファルトが広がることになります。 主な交通手段が自動車である郊外において、その認知されやすさのメリットは都心部における駅前に値すると言えますが、それゆえに乾いてしまった環境にはなんらかの補いが必要だとも思いました。

個室診療は、プライバシー保護の視点から、患者にとって好ましいものです。しかし診療する側にとっては煩わしいことが増え効率も悪くなるので、なかなか踏み込めない領域のようです。実現には、徹底した患者優先の思想と診療システムの変更が必要になります。このような努力の結果として可能になった個室診療システムを、アピールとして外観からも感じられる形態にすることにしました。各診療室と待合室を箱として配置し、その隙間を外部空間として開放しています。開口部には植栽を配し、外部のアスファルトや通行する自動車との視覚的な緩衝帯としました。

外壁の一部を焼き杉風に仕上げました。新旧の雰囲気が混在する構成により、地域特有の記憶による潤いを補えるように配慮しました。白壁と黒壁のコントラストにはロードサイドのロケーションゆえに、車中より認知されやすいインパクトを感じさせる機能も担わせています。

 

3代続く医院の記憶として、内部空間においても新旧の雰囲気を対峙させています。シンプルな壁面に対して、高い天井は木の構造部材を露にして柔らかい雰囲気としました。診療室において天井を見ることが多い患者の視線への配慮でもあります。オペレーションの中では、患者に見せていいものと、そうでないものを整理して、視覚的に切り分けています。

玄関ロビーと待合室には、植栽と空を取り込み、自然と向きあうことによる安静が感じられるようにしました。また、シンプルで明るい清潔感に留意した空間のフレームで切り取る、透明ガラス1枚の距離感の自然から、非日常的な、よそ行き気分の興奮を感じることができるように考えました。

院長の矢野先生はとても柔軟で穏やかな方です。新規患者さんの驚くほどの多さに、忙しいながらも元気な日々を過ごされているようです。

 
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