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美容室 natsume

大阪市北区
06-6292-3104
http://www.bigoudi.co.jp

ロサンゼルスにも店舗を持つビグディーインターナショナル。海外との所縁が深いゆえに日本文化を大切にしています。茶道に長く取り組んできた前社長であるオーナーの方針により、茶道を社内教育として取り入れ、その精神を接客に活かすことを実践してきました。新社長就任に伴う新展開の礎となるこの新店舗のコンセプトは“しつらえともてなし”です。natsume(なつめ)とは茶器の名称。この日本的で女性的な語感を活かす空間が求められました。

30歳以上の女性を主な客層とする都市型店舗ゆえ、表面的な和風や甘いテイストからは距離をとる必要を感じました。華美ではなくクールに仕向けることが、より伝統的な日本らしさに近づくことにも気づきました。

伝統的な日本の空間に感じていることの抽出から始めました。その要素としては、主観的でも構わないオリジナリティを提示する必要を感じました。結果、外部を取り込みながら折り重なる風景、僅かに移動するだけで大きく変化する風景、生活者の存在を強く感じさせる風景などの特徴を抽象化して再構成することにしました。さらに、質感を損なわない素朴さ、はかない繊細さ、などの美意識を手法の選択に活かすように心がけました。

働く側の効率重視の姿勢である、大空間に客を並べることから脱して2席〜4席までのコーナー分けをして、プライベートサロンのようなくつろぎを導入しました。その条件下で見通しがきくように、快適性を損なわない範囲でできるだけ壁面を視覚的に開放することが、迷路的な平面計画との相乗効果により、必然的に視点の移動に伴う移ろいやすい場面を生み出すことになりました

ガラスやミラーや金属を多用して、透過 半透過 反射 映り込みによる重層的な虚像をつくり出すことを図りました。映りこむ外部を中庭のように室内に侵入させ、空間領域を曖昧にしながら風景が重なり合うことにより、日本の空間の空気を再現することができたと思います。ガラスのはかなさやモルタルの素朴さが繊細に加担してくれます。

人気店長の意向により、普通でありながら懐かしい趣のある個人店舗のようなコーナーをつくりました。それ以外の全体は、現在のニュートラルな素材としてウェンジ色を選択しました。建築化した装飾による決定的な方向づけを避けながらも、後に配置される植物や小物により雰囲気を繊細に変化させることができるような空間とすることに試みました。

店の中央に位置するガラスで囲まれた喫煙室の中には、LEDで円筒の水槽を照らすペンダントライトを吊り、茶道の見立てによる季節のものをディスプレイすることにしました。一番見通しがきく場所で象徴的に静かに発光しています。その周りを生活者であるスタッフや客の実像や虚像が無数に行き来するさまに、現代の日本を感じます。

 
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